気がつけば、40年間くらい「手がぬるぬる」し続けています。
嘘です。
ほぼ気にならないこともある。なんとなーく手が湿ってるなーくらいの程度の日も多い。
保健室の先生の手のように、たまにはサラリとしていることもある。
ですが、握手しなきゃいけないとか、ハイタッチするとか、スマホちょっと貸すとか、バドミントンのラケット渡すとか、自分の手の「ぬるぬるさ加減」がバレそうなシチュエーションになると途端に手は「ぬるぬる」湿る。

生き物なんですけどね、私は。
病院に行ったことはないのですが、たぶん、手掌多汗症ってやつです。季節を問わず、温度湿度問わず、年齢問わず、手汗人間。
今回は、そんな自分がお仲間に贈りたい「手汗人間のみじめん話」あれこれです。
いや、それだけだと読後感が悪くなりそうなので「2000人と握手したけど大丈夫だった話」「一番気になる異性問題に手汗はさしたる影響なしって話」も入れておきましょうか。

手汗人間の恐怖1:職業選択の自由はありますか?
まずは私と同じようなタイプのひと、同類相憐れみましょう。手が「ぬるぬる」することで、どれだけわれわれの生活が狭まるか。
大きな話からいくと、手汗人間ゆえにあきらめた職もあるわけです。
小学5年生の頃、地元そごうの屋上で河合奈保子の握手会に行きました。
いや、ぜんぜん大きな話じゃないですね。
奈保子はヌルヌル小学生の手も笑顔で握手してくれました。ですが、子ども心に思いましたね。
「自分は絶対アイドルにはなれない!!」と。

同じ理由で政治家もムリだと思いました。
ぬるぬるの手で有権者と握手することはできません。有権者は老若男女、不特定多数すぎますから中には「汚い手で握手すんな!」なんて言うおじさんもいそうです。
作家もムリだと思いました。
サイン会のついでに握手を求められないとも限らない。いや、それ以前にサインの時に手汗で本をブヨっとさせてしまいそうです。
新刊なのにね。きっとファンは見て見ぬふりをしてくれるでしょう。でも、あとで掲示板に書かれたりするのです。

医者もムリそうです。
手袋するじゃろ!という声が聞こえてきそうですが、手袋の中が汗でヌルヌルしそうです。手術のリスク高すぎです。それともああ見えて発汗吸汗素材だったりするんですかね?

すみません。上記の多くは「なりたい」と思ったことすらない職業です。けれど、手汗人間のあなたならわかってくれることでしょう。
「手ぬるぬる」のせいで無意識にブレーキをかけてしまう存在のあれこれを。
手汗人間の恐怖2:握手もハイタッチもやめてもらえませんか?


えーとね。
人間誰しも緊張していれば汗をかくこともあるでしょう。自分は女性ですが、ガッキー相手ならドキドキしそうです。
しかし、ガッキーで終わらないのが手掌多汗症のおそろしさ!!
自分の場合、全くどうでも良いと思っている人、たとえば、ゆたぼんと握手することになってもヌルヌルすることでしょう。
もっといえば、その辺歩いてる普通のオバサンと握手することになってもヌルヌルするに違いありません。
ハイタッチも苦しい。
「地区大会優勝!」とか「社運を賭けたプロジェクト大成功!」とか仲間が大盛り上がりの最中に「ハイタッチされたらどうしよう……」とコソコソ陰気に考えてるのが手汗人間なのです。
手汗人間の恐怖3:楽器はヌルヌル、紙はブヨブヨ
手汗人間の恐怖が「握手」だけならまだよいのです。
普通は日常生活における握手の必要性は乏しい。特に感染症対策を考えると握手の機会はますますヘルはずです。
とはいえど。
人が何か作業をしようと思ったら手を使うのは避けられません。
その手がヌルヌルしているとさまざまな不都合が生じるわけです。
かつて私はキーボードを習っておりました。が、鍵盤がヌルヌル滑り、汗が茶色い線となり、それを先生に見られるのが恥ずかしくすぐにやめました。
ジムで個別トレーニングしていた時も、手の位置を正され、手のヌルヌルがもろバレました。先生は気づかぬふりをしましたが、その後、再予約する気にはなれなかった。
また、「問題解いてたらテスト用紙がブヨブヨになる」は手汗学生の定番でしょう。
学生から遠ざかりすぎた今だって書類にサインするのは苦手ですよ。
「公式書類をブヨブヨにするなんて、いい大人なのに!!」
そんなことを意識すればするほど、手は発汗します。サインする10秒程度で紙はブヨブヨ。もちろん、相手は見て見ぬふりをしますがね。
当然こと、電車やバスの手すり。なんであれ物質全般と相性が悪いのが手汗人間です。今はコロナ問題もあり、二重に最悪な気がします。

確かに。そういう楽観思考は手汗人間を救うことでしょう。
手汗人間の恐怖4:繊維が化学反応を起こします
物質全般と相性が悪いといいましたが、唯一マシなのは繊維です。ハンカチ・タオル類はもちろん、これらが救いになることもある。
ただし、依存しすぎるととんでもないことになります。
学生時代、私の制服の袖口は単行本の表紙並みの硬さがありました。
もはや繊維の肌触りではなくガッチガチのゴッワゴワ。叩くと音が鳴りそうでした。クリーニングに出しても変わらず。
なぜ、こんなことになったのか?
母親は不思議がりました。

そのまさかの手汗です。
ヌルヌル人間でも普通の高校生です。
男子にバレたら恥ずかしいので手汗をブレザーになすりつけ、教科書やノートをブヨブヨにしないように手汗をブレザーになすりつけた。
そんな青春を送っていると、約1年でポリエステル・ウールの袖口は武器のごとく強度を増した。

夢をあきらめるな!手汗でも芸能人になった人たち

手汗人間のために少しくらい前向きなことを書いた方がいい気がしてね。
グダグダ愚痴り続けましたが、たかが手汗、されど手汗、一周回ってたかが手汗です。
最初の方で厩二病的に「手汗人間ゆえに職業選択が阻まれた!」と書きましたが、現実には手汗芸能人も手汗政治家も手汗作家も手汗医者もたくさんいると思います。
当たり前です。
手掌多汗症って日本人の4%くらいはいる。多くはないけどめちゃくちゃレアというわけではない。
たとえば、芸能人の場合、今は亡き本田美奈子に始まり、酒井美紀、吉岡里穂、広瀬すずとサーチすれば誰かが出てくる。

4%しかいないので一貫性のなさは仕方ありません。
続けますと、芸人の見浦彰彦(アイデンティティ)は「手汗で感電しそうになった!」とか「滑って鉄棒ができない!」みたいな筋金入りの手汗人間で、手術して治したんではなかったか。
あとは、個人的に感慨深いのが福山雅治です。「こう見えて手汗がすごくって・・・・・」と大昔、雑誌のインタビューで語っていた。
その後、ラジオでも「昔、女の子と手をつないで手汗がしたたり落ちるほどになった」と言っていましたから、私より重症やんか。繊維武器商人にはなっても、したたり落ちたことはないし。

福山はイヤでも、ファンには喜ばしいことかもしれませんよ。
「握手してください」ったその手がぬるぬるしていたら
「もしかして、緊張してる?」
「私にドキドキしてるの?」
「福山雅治が?私に!?」
とか思いそうです。

水嶋ヒロも以前、「手汗がひどいのに握手とか、申し訳なく思う」みたいなことをツィートしていたし、NGT48の中井りかもYouTubeで「手汗がひどいので、気にならない方だけ握手会に来てください」と告白していたっけなぁ。
ですが、「手汗で握手」って当人が恥ずかしいだけで実は相手は気にしてないことが多いです。
それはファン「ゼロ」の一般人も同じです。
なぜ、そんなことがわかるかというと、私自身に握手しまくった過去があるからなのです。
手汗がひどいのに2000人前後と握手させられた!
20代のある時期、毎日のように握手させられました。
私の仕事はライターです。
取材相手が外国人ばっかだった時期があったわけです。

英語以上に困るのが握手だったってことです。
一応直前にハンカチで手、拭いたりしますよ。ですが、私は生きている細胞なので拭いた端から汗が分泌される。手拭きにほぼ意味はありません。
イヤだ、イヤだと毎回思いながらその数年間で2000人くらいと握手した。

最初は憂うつでしたよ。
でも、あまりにもしょっちゅうなので、だんだんと手汗に意識を向けられなくなったというのもある。
なおかつ、ヌル手について反応されなかったことが大きい!
正確には一人だけいました。とっさに「うっ!」という反応をした30歳前後の男性が。
ええ、ええ、確かベルギーかどこかの新進デザイナーでしたっけね。
ショックだったから覚えているわけですが、そのベルギー人デザイナーにしても握手の後は普通に礼儀正しかった・・・・・。悪いと思ったんでしょうかね。
その他1999人か正確にはわかりませんが、私の手がヌルヌルしてるのに、彼ら彼女らはまったく気づかないふりをしました。
顔色変わらず、みなニコニコしながら握手してましたよ。
恋愛的には手汗人間は「脈あり」らしいですよ


えーとね。
言いたいことはわかります。
10代で自分の手のぬるぬるっぷりに気づいたとき、一番の懸念は異性問題でした。
そりゃそうでしょう。
学校のフォークダンスとか恐怖でしかない。
お気に入りの男子(ひと学年に10人くらいいました)と手をつなぐことよりも「手ぬるぬる」がバレてしまうことのが恐ろしかった。
が。
実際、参加してみたら意外となんてことはなかったのです。一人とて「うっ!」という顔をする人はいなかったし。
その後、恋愛の紆余曲折で「手ぬるぬる問題」には何度かやられました。
手をつなぐのが恥ずかしく、さりげなく振りほどき、しかし、嫌がってると思われては困るのでこちらから腕を組んだこともあったような。

まったくです。
しかしながら、「手汗でドキドキ」は最初の頃の局面だけで、恋愛においてそこまで気になるものではなかったのです。
というのもね。
私は気づいたわけですよ。
初デート(さすがにこの言葉、書いてて恥ずかしすぎるわけですが)の時って、男子の手の方がだいたいヌルヌルしてんですよ。
スルスルしてる人は非常に少ない。
よって、女子が気にする必要はない!!
実際、「手が湿ってるな」と思ったとしても、普通は「緊張してんのかな?」とか「たまたまかな?」とか思考の外に行く。
恋する人間にとって重要なのは「手をつないだこと」であり、その手が「ぬるぬるしていた」ことではない!!

いや、それは早計というものではないですか?
前述の通り、私はゆたぼん相手でも手汗かきますから。
ただ、こうした手汗人間に好意的な解釈は早計であっても広まってほしいものです。
女子は気にする必要ない。では、男子は……。

「手をつなぎたいけど、ぬちゃッとした手で触ったら彼女に嫌われるんじゃないのか?」みたいな悩み相談をたまに見かけますね。
しかしながら、「あなたの手がヌルヌルしてる」、それだけが原因で恋が終わることは99%ないと思います。
手をつなぎかけて「振り払われた」としたらそれは「手がヌルヌルしていた」せいではなく、単にあなたと手をつなぐのがイヤだったためでしょう。
手汗のせいにするのではなく、もっと自分自身を見つめましょう。

確かにひどい。補足はしておきましょうね。
……振り払った方の女性が「自分の手汗を気にしていた可能性」もあるかもしれません。
ただ、結局のところ。
自分の人生を振り返ると「ヌルヌルした手」は日常の些末な場面では不便ですけど、人生にそこまで大きな影響を及ぼしやしなかったってことです。恋しかり。仕事しかり。そのほかもろもろしかり。
私が芸能人や政治家や作家や医者になれなかったのは99%手汗以外の理由です。
それはあなたのご想像の通り。
でも、手汗用制汗剤を試してみる
とはいえど。
人生を揺るがすほどのデメリットはないとはいえ、手汗にメリットなんか何一つありません!
自転車のハンドルヌルヌルスベルとか普通にやめてほしいし。

手掌多汗症といえば、胸部交感神経遮断手術とかイオントフォレーシス治療なんたら探せば手立てはなくもない。字面からしてこわそうですが、どちらにせよ、人生折り返した自分が今さらそこまでする気はない。
なので、このテーマでブログ書こうと思い立った時、実は手汗用の制汗剤を買ってみました。
どうせ多分変わりません。
そうはいっても、せっかく買うなら「もしかしたら?」と思えるようなやつがいい。いろいろと調べ、日本未発売のめっぽう強そうなやつを購入しました。
で、現在絶賛使用中でし。近日中に手汗対策体験談アップします!たぶん。

なければ、めんどうなので書きません。
その場合は「手ヌルは人生に影響を及ばさない」のマントラを唱え、日常の茶飯事をやり過ごしましょうね。
↓1週間では変わりなし。しかし、1か月使ってみて手汗がほぼ気にならなくなった(!)のでアップします。手汗に悩むなら騙されたと思って使う価値ありですわ。
親子ともども手汗人間です。 日々ぬるぬるたまらんので制汗剤を購入してみたわけです。 デンマーク発の輸入品「パースピレックス」。別名【デトランスα手足用】ですね。 みじめん アットコスメでは☆☆☆☆☆+αく[…]