おおむね、その路線でいきます。
念のため、ご説明しますとリモートワークとはテレワークのことです。在宅勤務のことです。
新型コロナでリモートワークを実施してみて「孤独!」「太る!」「生産性下がる!」と思っている人もいるはずで、そんな人たちのために書いた記事が以下。
リモートワークって何だっけ? 少し前までそんな認識でいたところ、コロナ禍により、すっかり普通に聞かれるようになりました。 みじめん テレワークのことね テレワークという言葉は完全に浸透しましたね。なんだかダサいし[…]
上の記事では「リモートワーク」サゲをしましたが、かくいう自分は在宅勤務なくしてやっていけない人間です。
自分はフリーランスのライターなので、社員のリモートワークとは状況が違う部分(定時が決まっていない等)もありつつも、既に在宅勤務歴20年。
なんだかんだ言って「家でやる仕事サイコー!」なのです。
というわけで、今回はリモートワークをアゲるので、デメリット記事でますます鬱々してしまった人たちもぜひ。
② リモートワークでさらば!日本人の睡眠負債
③ 「家事や育児と両立できる」はサバ読みすぎですが
④ リモートワークで地方と東京の経済格差が是正される?
⑤ リモートワークが引きこもりの就労支援になる未来も?
⑥ 企業は設備投資削減で利益率がアップする?
「?」ばっかりなのは、単なる素人の意見ということもあり。暗いニュースが多い時世ゆえ、希望的観測を含め好き勝手書きますが、そこはご勘弁。
前半は主に働く側のメリット、後半は雇用する側、また、国としてのメリットについて。
働く側のリモートワークのメリット
まずリモートワークのメリットを思いつくままに。
②東京の場合、満員電車に乗らなくて済む
③通勤時間がない分、寝坊ができる
④子どもがいる場合、朝夕のバタバタを避けられる
⑤コロナなど感染症の脅威を最小限にできる
⑦ 洗濯機を回しながら仕事をすることも可能(場合による)
自分の体験に基づいていることも多いので、ツッコミどころもあるでしょうが、見ていきます。
「毎日同じ場所、同じ時間」に集うことのストレスから解放される
「毎朝同じ時間、同じ場所に必ず集合」「毎朝同じ時間、同じ場所に必ず集合」「毎朝同じ時間、同じ場所に必ず集合」と10回繰り返してごらんなさい。
なんと息苦しいことか!
会社員の友人ともよく話すことなのですが、自分の場合、「仕事をすること」自体より、「毎日同じ時間に行かなくてはならないこと」自体がストレスだったわけです。
②の「満員電車に乗らなくて済む」こともリモートワークの素晴らしいメリットです。が、仮にスカスカ電車であったとしても行くのがイヤなのは変わらない。
起床の段階とか家で行く準備している時が「仕事したくない(=会社行きたくない)気分」がマックスなわけですから。
が、いったん会社に着いてさえしまえば「ああ、仕事したくない!したくない!今すぐ家に帰りたい!」とはあまり思わない。
悪いことは言いません。そんな会社はやめましょう。
もっと信用のありそうな人の例でいうとね。
バンダイ元社長の上野和典氏に聞いた話ですが、仕事が面白くて仕方がなかった若い頃、彼はどういうわけだか突然電車に乗れなくなりました。何度も途中下車しながら通勤し。
それってパニック発作でしょ!って今ならなりますが、当時はそんな言葉はない。
当人は「おかしいな」と思いつつも病院に行くことはなかったそう。何故なら、仕事が楽しかったから。
そうこうするうちに、彼は同社初のサラリーマン社長になったわけですが(かなり途中省略)、優秀な人でも「通勤キツイ」問題を抱えてしまうこともあるという一例。そんな人材が辞めてしまったとしたら会社としても大損害なわけです。
リモートワークで睡眠負債も解消できる!?
次に③の「通勤時間がない分、寝坊ができる」について。
これは、あまり語られないことですけど、重要なポイントだと思いますよ。
なぜなら日本人って世界的に見てもメチャクチャ睡眠時間が短いから。
OECDの調査によると「7時間43分」とか。思ったより寝てるって?
私も一瞬そう思いましたが、調査27か国中26位。睡眠時間が8時間を切っているのは最下位の韓国(7時間41分)と日本だけです。
ちなみに1位は南アフリカの9時間13分。アメリカは6位で8時間45分。
寝すぎだって?私も一瞬そう思いました。
この時の調査対象が「寝ぼすけ」ばかりだったのか?数値はともあれ、日本は睡眠時間においてワーストの常連です。
睡眠について、口角泡飛ばしたくなる理由はもう一つあります。
イギリスの睡眠専門家によると「9時~17時」の就業時間は人間の身体には合ってないらしいのです。
本来、人間の身体って10時スタートとか11時スタートが望ましいらしい。
だからといって「わかりました。では、遅くします」とはいかないでしょ。
その点、リモートワークであれば就業時間を変えることなく個人の睡眠時間を伸ばせます。定時が9時だとして8時50分頃に起きても間に合いそうです。
パジャマはやめた方がいいんですけど。生産性が落ちそうですし、何よりダラダラ部屋着は「デブのリモートワーカー」を複製していきます。
話を戻しますが、これまで6時に起きてた人が7時起床でよくなれば睡眠負債はマシになる。特に子どものいる場合は朝のバタバタは和らぐ。
なおかつ、フリーランスと違い、多くのリモートワーカーは始まりと終わり時間が決まっていますね。最低限の縛りはあるから昼夜逆転生活にまで落ち込むこともまずないし。
私は朝起きることができません。 基本的に週四日から五日くらいは午前中に活動していない。 今日も二度寝して起きたら12時でした。学生さんだったり、若人だったとしたら「まぁ、そういうこともあるよね」で流せ[…]
こういう記事を出すと、書き手としての信用は失われそうです。言い訳しますと今はマシになっています。
育児と両立できる、と思ってはいけない
そこはね、個人的には誤解を招きそうなところだと懸念しています。
待機児童問題なんかで「家で仕事してるの?じゃあ、子ども見れるでしょ」となって欲しくはないけれど、言われる人も出てきそう。
「家で仕事してるのに、なんで掃除できないんだ?」みたいな発言をする夫はいてほしくないけど、そういうバカも出てきそう。
洗濯機くらいは回せると思いますよ。合間の5分で干したりね。だけど、就業時間がある以上、がっつり買い物に行ったり、子どもと遊んだりっていうのは普通にサボりの領域です。
リモートワークがつらいって?でも書きましたが、個人の仕事の進捗状態はオフィスワークより見える化しやすいんですよ。
トラフィック量なんかも残るでしょうし、成果を出さないと「ホントに仕事してたの?」疑惑は尽きない。
なので、「在宅勤務はらくらく楽ちん」みたいなことは口が裂けても言えません。その人が抱えている仕事の難度や忙しさは会社だろうと家だろうと変わりませんからね。
リモートワークは日本人の働き方を変える
地方在住でも東京賃金で働けるリモートワーク
と、ここまでは個人として立場からメリットを書きました。
が、リモートワークは当然それ以上の意味があるわけで。以降はちょっとマジメな話。
② 地方にいても東京水準の賃金で働くことも可能
③ 働き方の多様性が生まれやすい。引きこもりなどの就労支援にも
④ 採用対象は全国。そう考えると優秀な人材を集めやすい(雇用側のメリット)
⑤ 設備投資が少なくて済む(雇用側のメリット)
⑥ もしかすると、会社の利益率もアップするかもしれない?
この辺り、自分ごときが言うまでもないのですが、リモートワークは地域の経済格差を是正できる可能性もあるわけです。
2019年秋の改定により、東京の最低賃金は1013円になりました。当然、日本一高い。
一方、一番低い最低賃金ときや790円。秋田や岩手、鳥取や沖縄などなど同列最下位は結構多い。
東京と鳥取で、仮に同じ能力の人が同じ作業をしたとしても1時間当たり223円の差がある。
そもそも地方には仕事が少ない。女性の場合は特に少ない。けれど、リモートワークなら勤務地にこだわらず仕事を探せます。
年齢やキャリアは関係なし?引きこもりの就労支援にも
これは感覚的な問題ですが、リモートワークは年齢や性別やキャリアを「あまり気にしない」方向に走りやすい気もしていて。
リモートワークにまつわる不安の一つに「顔も知らない相手と仕事する可能性」みたいなものがありますね。けれど、顔が見えないからこそのメリットもある。
オンラインでのやり取りになるわけですから、その相手が「ちゃんとやってくれるか、どうか」は気になっても、その相手が「自分より年上か年下か」「男か女か」「どんな経歴か」なんてことをいちいち考えたりしません。
もっと仕事に集中なさい!
普通に集中できる人たちなら、妙なバイアスもかかりづらい気がするんですね。
なので、中高年世代であったり、さらに言えば「長年引きこもりやってたけどPCスキルは高い」みたいな人にも就職の可能性は等しくあるのではないかと。
わかりませんが、働き方の選択肢が増えれば、能力はあるのに日本の経済社会からこぼれるがままだった人たちが再生できる道筋が見えてくるかもしれない。
単なる素人の意見に過ぎませんが、リモートワークで試せることってまだまだある気がするわけです。
コロナで未曽有の就職難が訪れても、その中でリモートワークは小さな光になれるかもしれない。
考えると、未来が拓けていくような気になるわけです。
リモートワークで利益率が上がる企業も出る?かも
雇用側のメリットも大きいのがリモートワークです。
地方の人が東京賃金で働けるということは、会社からすると全国から優秀な人材を取りやすいということでもある。リモートワークならオフィスの設備投資も少なくて済みますしね。
在宅勤務開始から3週間。何が凄いかと言うと、業績に影響がほぼ無い。この結果を見て、そもそもオフィスが必要なのか真剣に考えている(汗)
在宅勤務の判断は正しいと評価されてるけど、駅前のオフィスを一棟丸ごと借りている判断はどうなんだ?#在宅勤務
— 熊谷正寿【GMO】 (@m_kumagai) February 16, 2020
新型コロナによるリモートワーク実施企業の中でも、多分、一番対応の早かったGMOインターネット。そもそも家賃ムダなんじゃね?くらいの話になっている模様。非常に興味深いですね。
リモートワークによる設備投資の削減で、将来的には利益率が急上昇する企業も出てくるでしょう。
また、全リモートワークでさくっと事業立ち上げるような起業家も増えるかも。ベンチャー起業家にとってオフィス借りるのってメチャクチャ大変らしいのでね。
今回のコロナで日本経済も世界経済も間違いなくズダボロになるでしょうが、大きくなる企業はズダボロの時期をきっかけに急成長することも多い。
本当にそれ。
その点だけに希望を持って今の自分は日々を生きている気もします(ウソ)。
「リモートワークは寝坊ができる」みたいな些末な話から、ガラにもなく経済の話になりました。
が、再び些末なレベルに戻すと、「リモートワークが広がればその手の在宅勤務者用サービスやツール、グッズは増えるはず」→「となれば、フリーランスの自分の生活もほんの少し豊かになるはず」→「だから、リモートワークよ、もっと広がれ!」ってところでしょうかね。