半年ほど服用していた睡眠薬と4日ほどでオサラバできました。
使っていたのは「ゾルビデム(マイスリー)」の5㎎1錠。主に寝つきをよくするお薬で、「飲んだ途端、すぐ眠くなります。長く効くものではなく半減期は2、3時間」と医者からは聞かされました。
ただ、私の場合、すぐとはいかず入眠まで20〜30分くらい掛かりましたけどね。この薬、飲むとなんともいえず気持ちよくなります。フワフワする感じあり、幻が見えたりして妙に気持ちがいいのです。
ね。
そもそも寝つきが悪いために遅くまで寝てしまう生活を改めたく、飲み始めた睡眠薬。ところが夜中の12時に寝ようと午前中はやはり眠い。早起きは、薬ではできないのだと思い知りました。
今さらながら睡眠薬は使わないに越したことはない。でもって、早起き生活を始めた1週間後に思い切ってやめました。というわけで以下。私が睡眠薬を服用するようになったきっかけ、断薬した実体験を綴ります。
他人の睡眠薬事始めなんてどうでもよいから、今すぐ「やめ方を!」という向きは目次の2つ目までスキップ!
ハルシオンも効かなかった寝つきの悪さ
そもそも何故、自分は睡眠薬を飲むことになったのか?
私は夏場になると眠れません。ベッドに入って5時間ウダウダみたいなこともまま。それは若い頃からそうでしたがここ数年はさらにひどくなり、夏が終わっても眠れない感じ。
で、病院行って相談したらハルシオン。
「ハルシオンってあれ!『ポンヌフの恋人』で主人公が飲んでたやつ。でもって、小銭泥棒の時に使ってたやつじゃん!」
記憶によると90年前後は小悪党に濫用されていたハルシオン。
欧米では今でも禁止されてたり、処方に制限があったりするやつじゃなかったでしたっけ? ちなみに、ハルシオンの消費量は日本が世界の6割を占めているのだそうです。
ね。
結論からいって、私にハルシオンは効きませんでした。
どれだけ寝つきが悪いのかという話ですが、よって常習者にはなりませんでした。
その後、別の病院で処方されたのがゾルビデム。お医者さんいわく「すぐ眠くなりますから、眠る直前に飲んだ方がいいですよ」と。
が、この薬も効かず。
調べるとハルシオンより弱めのよう。
そうなのです。
最初は効かなかったけれど、数か月後にダメ元で飲んでみたらば、いい感じに眠くなる。お酒に酔ったようなフワフワした気持ちの良さもあり、目の端に何かが見えたり(幻視?)、しかし、怖いわけではなくハッピーな感じもあったり。
ね。
今回の早起き修行のため、それなりに本を読みました。睡眠薬に警笛を鳴らすものも多く。
次のうち、睡眠薬に関する記述で正しいものはどれか?
① 睡眠薬は不眠を治さない薬である。
② 睡眠薬は向精神薬である。
③ 睡眠薬には依存症がある。
④ 睡眠薬の服用の中止には禁断症状がともなう。
⑤ 睡眠薬は、海外では麻薬と同様に規制されている。
⑥ 睡眠薬を飲み続けると、認知症になりやすい。
⑦ 睡眠薬を飲み続けると、早死にしやすい。答えは、「すべて」である。
『睡眠薬中毒――効かなくなってもやめられない』
この手の本を鵜のみにするほどピュアではありません。どんなジャンルであれ「直ちに辞めなければ、もうおしまいだ!」的なニュアンスが強すぎると気持ちは醒めてしまう。「今すぐ契約しないと次はありません!」と不動産で言われているような気にもなる。
特に健康関連本は著者によって、まったく逆のことを言ってたりするのも常ですし。
一方で、「睡眠薬は麻酔と同じ」みたいな表現は刺さるものがありました。フワフワ気持ちいいなと思っていたら、身体が重くなってそのうちに意識を失う。病院では安全だと、依存性は少ないと告げられましたが、身体にいいわけは「絶対に、ない」です!
どうやって睡眠薬をやめるのか。寝てない時間をガマンする
で、早起き修行をきっかけに半年付き合った睡眠薬とオサラバすることにしました。
40代フリーライターの睡眠修行第三弾です。 目的は「二度寝をやめること」「午前中がない生活とオサラバすること」「睡眠薬をやめること」 魚の目 昼まで寝てるのに睡眠薬とか。不健康にも過ぎる まっ[…]
どうやってやめたのか。
結論を言えば、眠れないなら寝ないこと。それに尽きます。
『睡眠こそ最強の解決法である』(マシュー・ウォーカー著)には次のような断薬作戦が紹介されています。
(薬に頼らない不眠治療)
1つは布団の中ですごす時間を制限することだ。まず6時間かそれ以下で始める。覚醒時間を増やすことで、自然な眠気を誘発する狙いがある。(中略)その結果、患者は「眠ることができる」という自信をとり戻し、毎晩、自然で深い眠りを自分で生み出せるようになる。そして自信が確立したら、布団の中ですごす時間をだんだんと増やしていく。
実は本書を読んだのは断薬に成功した後ですが、結果的に自分がやったこととかなり似ていました。
私自身、ベッドの中で寝返りうったりなんだりの時間がどうしようもなく虚しくて、睡眠薬に走ったところがあり。
そうなのです。
不眠治療でよく言われることは
② 眠れなかったらベッドから出る
この2つ。これが、簡単そうでなかなか難しいのは百も承知。私の場合もウダウダやって結局、ベッドに数時間いたりしましたからね。
事前にリバウンド対策をしておく
もう一つ。
睡眠薬をやめる時は急にではなく、「用量を徐々に減らしていく」方法や「使用日数を徐々に減らしていく」方法が推奨されます。
毎晩1錠だったら半分に割るとかね。割りやすいよう切り込みが入っている睡眠薬も多いという。私の使っていたゾルビデムにはありませんでしたが。
そうなのです。
実を言えば、先の通り、よく調べないままに断薬を始めてしまったのです。昨日までほぼ半年に渡って飲んでいた睡眠導入剤をいきなりやめた。
断薬に先立ち、早起き生活にチャレンジしていたこともあってね。何かを始めて成功しかけたら、他のことも始めたくなるってものです。
で、この頃の睡眠時間ですが、それまで9時間、10時間寝ていたところ、早起き決行により5、6時間に!
不眠と過眠は紙一重なのです。普段、睡眠薬飲んでるくせに週末に信じられない寝だめをする人は私だけではないはずで。詳しくは別途。
※ロングスリーパーこそモテ系睡眠!錦織は12時間、ガッキーは13時間ネル
話を戻します。
早起き決行により、当時の私は常時睡眠不足だったわけです。
そんな生活でしたから、もう薬を使わずとも寝れるだろうと甘く見たのが大間違い。
前日、前々日、その1週間前後の睡眠時間が少なかったのに関わらず眠れない。
昼間は眠いのにそれを我慢してきたのに夜になると眠れない。
やっぱりね。
夜12時にベッドに入ったのに2時になっても眠れない。
自分がそうだったからこその反面教師です。
結局、初日は漢方薬を飲みました。以前、病院で処方されたもの。
「抑肝散化陳皮半夏」みたいな名前のやつ。不眠だったり、更年期のイライラや神経の高ぶりだったりを落ち着かせる作用があります。
もちろん、漢方ですから気休めに近いような。
ただ、この気休めは悪くない作戦だと思いました。
「睡眠薬なんてプラシーボみたいなもの」という学者がいるように、「睡眠薬を飲む」という行為が寝る前の儀式みたいになっている人は多い。それ自体がお守りのような存在だったりね。
逆に「飲んでないから眠れないのでは?」と考え始めたら、ほら、あなたはもう眠れません!
ですので、やめたいと思ったのなら事前準備をしておいた方が良いです。
睡眠薬を半分に切っておくのもよし。面倒なら漢方薬、あるいは市販のサプリメントなどを準備しておくのもよし。特に最初のうちは「サブお守り」に頼っていいと思います。
それもオススメです。
不眠症の人間は「眠れない時間=悪」のように考えがちです。普段読めない本を読むでも音楽を聴くでも何でもいい。開き直ってその時間を有効活用しましょう。
断薬の前に規則正しい生活を意識する
2日です。抑肝散化陳皮半夏、実は私には合いませんでした。飲んだらお腹の調子が悪くなる。前にも薄々気づいていたわけですが。
よって、3日目は眠れずグダグダ。
しかし、4日目の夜は漢方薬なしで就寝。結論から言って眠れました。ベッドに入って14分。(11月9日)
こんなに早く眠れたのは久しぶりでしたよ。睡眠薬使ってても入眠まで20分から30分はかかりましたから。
そう、よほど疲れていました。
前述の通り、早起き生活と断薬生活ゆえに以前より睡眠時間が平均3、4時間減ってしまっていた。元が長すぎるといえ、この減らし方は急すぎです。専門家に相談したら反対されそうです。
ただ、荒療治ながら私にはよかったと思います。
先に引用した本でもあった「睡眠制限」が自然と掛かり、眠くてたまらない身体と脳が「もうわかった!自力で寝てやる」となったのではないかと。
まとめると睡眠時間が乱れがちな人は薬をやめる前にその根本を正すのが近道だと思います。ともあれ、この日以降、睡眠薬に頼ることはなくなりました。
一、 眠れない時は寝ようとしない。ベッドにいる時間を短くする
一、睡眠サプリや漢方などのお守りを用意しておく
一、眠れない時の「やることリスト」を作っておく
一、薬断ちに先駆けて規則正しい生活を取り入れておく