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【とほほギャラ大全】ライターの原稿料、どこが安くてどこが高いか?

 

みじめん
これまた、編集者が見たら怒りそうなタイトル。

「カネ、カネ、カネかよ!」って話ですね。身バレしそうになったらその瞬間に消しますので早めに読むことをおススメします。

もちろん、私とて「よいものを作りたい。お金は後からついてきます」みたいな顔して仕事しています。だけど、やはり、お金は最強に大事。特に「老後の生活どうするか?」みたいな年齢になるとね。

タイトルの答えを言ってしまえば、出版不況とはいえ原稿料が高いのは「Web<紙媒体」。これは単に一部のクラウドソーシングが安すぎるからって話でもある。

でもって、取引先としての傾向は「出版社やWebメディアの原稿料<一般企業のPR誌やオウンドメディアの原稿料」という感じ。

みじめん
本家より一般企業のが高いって……

さみしいですが、しゃあないです。

ひと昔前は「企業のPR誌で書いている」と言おうものなら、「へぇ~・・・・・・。(雑誌じゃないんだ。つまり、署名記事ないのねの意)」みたいな見えざるヒエラルキーもありましたが、今はそんな時代ではない。

逆にいえば、10数年前よりもライター業はフラットになったということで。

以下は、主にインタビュー取材の多いライター個人の体感です。自分の趣味の問題なのか、書き上げてみれば「とほほ」ネタばっかりになりました。

同じ企画でもWebの予算は雑誌の半値以下!?

 

雑誌の原稿料がダダ下がった話は以前にも書きましたが。

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みじめん
それでも、Webより雑誌の原稿料の方が高いという現実

1記事100円とかのクラウドソーシング案件は論外だとしても、Webメディアは紙媒体よりおおむね安めです。資本のしっかりしたメディアでも1記事1万みたいなところは少なくない。

今はどの雑誌でも公式サイトを持っていますが、同系列だろうとWebの予算は本家とは別口です。

ある時、雑誌で連載していたシリーズをWeb用に書き下ろすことになりました。

そのシリーズ、雑誌の原稿料は8万~10万程度(※1ページあたり2万、4~5Pの記事)。

依頼があった時、ニヤニヤしました。

つまり、Web版でも8万くらいはもらえるのかな?かな?かな?と。

みじめん
しかし、そううまくはいかない。

そう、うまくはいかないのです。

雑誌対Web、まさかの半額以下!

文字数同じにもかかわらず、振り込まれた原稿料は4万円弱だった!!

 

これは、これは、これは。

それは、それは、それは。

明細見た時の私の顔ときたら。

みじめん
先に知らされないの?

 

Webメインでやってきた人に言うと驚かれるのですが、大手雑誌ほどギャラを知らせない風習がある。

なんなんだ!その風習!

「さすがに低いと思うのだけど・・・」と編集に直談判したわけです。

が、結論からいえばムリでした。何がわかったかってWebの予算がとてつもなく低いってこと。ギャラアップはあきらめるしかなかった。

 

ただ、編集者はよい人でね。雑誌の方で上乗せできる場面あらば、ちょこちょこ便宜をはかってくれましたっけ。

どこの雑誌かって? 書くわけないでしょーが。

編プロ通すとどんな高額案件もダダ下がりします

 

紙媒体の方が圧倒的によいのか、そう思ったあなた。

紙媒体での仕事を増やそうかなと思ったあなた。

ただし、注意してください。これはWebでも言えることですが、できれば編プロは避けた方が無難です。

みじめん
いろんな案件を持ってるけどね

 

自分が若かりし頃、編プロに入って修行するのはフリーライターの登竜門みたいなイメージがありました。今はどうなんですかね。どちらにせよ、私は入りませんでしたが。

もう一つ、よく言われていたのは「自分が編プロに入るのはいいが、編プロから仕事を受けたらダメ!」ってこと。

みじめん
ピンハネされるから

 

うむ。その誰かからの言いつけを守って、売り込みに行く際も編プロは避け、直接、出版社の編集部を尋ねるようにしていました。なので、編プロ経由の仕事って20数年のライター業の中で数えるほどしかない。

が、うち1件は比較的最近のことです。

 

ある広告代理店から「アパレル企業の社長をインタビューして欲しい」と言われたわけです。社内報の仕事でした。

ひと昔前までこう言ってはなんですが、「社内報なんて地味である」というイメージ。署名記事にはならないし、「外部には見せないでください」みたいな通達がある場合もあってね。

ライターにとってあまり面白みのある仕事ではなかったんです。

 

けれど、最近の社内報って地味どころかキラキラです。

 

有名なカメラマンを使い、アートディレクターを使い、雑誌顔負けのデザインを作り込んで、社員しか読まないような社内報に圧倒的な予算をかけて。

今後、コロナでどうなるかはわかりませんが、「まず社員に会社のファンになってもらおう」みたいな考え方のできる経営者が増えてきたってことですかね。

 

で、話を戻すと、その仕事も思った通り、原稿料が良かったわけです。1ページ単価が5万円。

文字数にして1ページ1000字程度だったに関わらず。

みじめん
1文字50円てことね

 

私は文字数ベースでの仕事を請け負ったことはありませんが、どちらにせよ、名もなき中堅ライターにとっては、うひゃうひゃするほど良いと思います。メジャー誌でもページ単価2万円もらえれば◎って時代ですからね。

 

で、さらに数か月後。

再び同様の取材依頼が舞い込みました。

今度は大手デベロッパーの社内報です。クライアントの提示予算は前回とほぼ同じ。8ページほどのインタビューをお願いしたいと言われ、当然始めるは皮算用。ページ単価5万×8ページは・・・・・・。

うひゃうひゃし過ぎてコンニャクになりそうでした。

みじめん
なんだか、先の展開が見えてきた……

 

お察しの通りです。

人生はそううまくはいかないものです。

この後、代理店の人間が恐ろしいことを言い出します。

 

「今回は編プロに間に入ってもらうことにしました」

「なので、ギャラについては編プロの担当者と相談してください」

 

でもって、指定された編プロに連絡すると

「予算の割り振りがまだ決まっていない。もう少し待って頂けますか?」と返された。

 

みじめん
その編プロ、ヤバくない?

 

えーとね。

先も言いましたが、紙媒体に長くいた人間の感覚としてはね。

これ、結構慣れっこなのです。

普通の感覚なら「どこの誰が、ギャランティの決まっていない仕事を受けるのか?」と思うわけですが、紙媒体周辺(※主に雑誌)では「またですか!」ってくらいよくあること。

その辺りのおかしな風習も、Webが伸びて紙媒体が落ちていった一因ではないかとも思うわけですが。

ともあれ、取材日は翌日に迫っていました。ここでイヤだと言えるわけもない。ページ5万はムリだろうな、だけど、3万くらいはもらえるかなとユルい期待を抱きつつ、取材にのぞんだわけです。

進行はスムーズでした。原稿直しもほとんどなく編集者にもほめられた。よしよし。しめしめ。

 

が!

1か月後に送られてきた明細を見て、時は止まりました。

 

8ページで14万円!

 

これは、これは、これは。

それは、それは、それは。

実働およそ2週間です。24万くらいもらえるはずが、非常にリーズナブルな設定ですね。

 

みじめん
直しもなくスムーズに行ったのならいいのでは?

 

そこ、なのです!

ライターというもの、直しの好きな人間はいない。その点ではよかったとは言えるものの、「直しのない原稿=編プロもラクであった」ということ。

あんたたち、わしにばっか仕事させて自分はラクして何なのさ!

みじめん
直しはヤだけど、なければないで恨みつらみに。

 

端的に言えば、そういう恨みつらみも混じっています。

企画も仕切りも広告代理店に任せきり、ライターの書いた原稿を横流しただけ。1ページ5万のうち3万以上ピンハネするとはどういう了見じゃ!うじゃうじゃ毎回3人くらい引き連れて現場来てたけど、あんたら、仕事してないじゃんか!!!

ほらほら、どうする、不平不満が止まらない。

みじめん
まぁまぁ。ほめられて嬉しかったんだし。

 

ライターのほめ代もピンハネ分に入ってるんですか?

タダじゃないなら、ほめてくれなくて結構です。あるいは罪悪感からほめたのかな・・・・・・。

ちなみに、原稿料について少しばかりゴネましたが、ムリでしたね。

話すうち、「もう、いいです、もう結構。ノブレス・オブリージュ」という気分になっていった。

というわけで、ライターとしての労力は同じでも経由すると原稿料が下がるのが編プロです。

これは雑誌だろうと、Webだろうと、変わらない。ちなみに、クラウドソーシングは編集者すらいない編プロみたいなものですよ。

 

3か月作業なのに60ページ15万円のムック本て!?

 

とはいえ、先のは「前が良すぎた」ための反動も大きい。よくはないけどもっと安いギャラで仕事したことはあります。

個人的な「低ギャラ」ランキングでいきますと、ワーストは健康系のムック本でした。

ムック本の全部が全部、安いとは限りませんが、弱小出版社のムックにはもはや恐怖しかありません。

コンビニや本屋でムック本を見るたびに、制作に関わったライターや編集者の困窮に思いをはせずにいられないわけです。

みじめん
自分は断ったくせに。

 

そう、断ったのです。私が断ったということは、誰かがあの仕事を受けたということ。

あらましはね。

何度か仕事をしたことのある編集者が小さな出版社に転職し、ムック本の担当になった。

串カツをご馳走され(田中ではありません)、ある健康食材に関する60ページもの原稿依頼を受けたのですが、ちょっとこれがヤバすぎた。

私はそもそも不健康な人間なので健康分野に強くない。あまり興味のない分野だったというのはありますが、中身の方もほとんど決まっていなかったんです。

①どんな構成にするか、まず目次を作って欲しい
②対談やインタビューに出てくれそうな専門家や芸能人をチョイスして欲しい
③それを編集会議にかけるから、OKが出たらアポ取りを始めて欲しい
④対談の司会とインタビューをして欲しい
⑤その記事を書いて欲しい
⑥インタビューだけだとダレるからコラムページも作って欲しい
⑦コラムの方向性は事前にチェックしたいから先に案を出してね!
⑧原稿書いたら、当然、ゲラのチェックまでやってよね!

編集作業がっつりの、どう考えても3か月はかかる仕事でしたが、原稿料はなんと60Pで15万円!!

これは、これは、これは。

それは、それは、それは。

紙媒体はギャラの申告がないことがあるものの、あまりに低いからなのか、この時ばかりは事前の提示がありました……。

経験上、原稿料と労力はだいたいにおいて比例します。

しかし、異空間かと思うほどにまったく比例しないものもある。クラウドソーシングではよく聞く話でもありますが、それ以外でもやっぱりある。このムック本はどう考えても異空間への片道切符……。

翌日、丁重に断りました。

ほんと言うと「バカにすんな!」って気分です。だけど、あっちにしてみれば青息吐息の編集部。「せいいっぱいの経費で串カツおごったのに!金返せ」とか思った可能性もある。

当然のことながら、気まづくなりましたよ。

けれど、翌年の誕生日。その編集者からFacebookページに書き込みがありました。

「おめでとう!よい一年になりますように」って。

彼からのお祝いメッセージは後にも先にもその時だけ。多分、気にしていたのでしょうね。

編集者だって好きで安いギャラを提示したわけではないのです。

みじめん
ギャラを憎んで人を憎まず

 

やはり、企業系は原稿料が高い?

 

こうして気づけば、またしても安いギャラの話ばっかりで5000字近く。

書いてる私も、読んでるあなたもそろそろ飽きてきた頃かと思うので、高めのギャラ案件を紹介し、そろそろブログを〆ましょうか。

みじめん
なんかテキトーな言い分ね

高いギャラは嬉しいけどネタとしてはつまりませんから。

すでにご存じの方も多いでしょうが、Webでも紙媒体でもライターの懐を潤すのは企業案件です。紙媒体なら企業の広報誌、Webなら企業のオウンドメディア。または広告のタイアップ。

覚えている限り、一番よかったギャラはタバコの会報誌でしたっけ。800字程度の映画コラム書いて6万円でした。

新幹線や飛行機の機内誌なんかも良いと聞く。クレジットカードの会報誌なんかもね。ほら、絵に描いた餅みたいで書いてる自分も読んでるあなたもあまりに面白みのない文章でしょう。

私がもらったWebのギャラを公開します!

みじめん
Webメディアの原稿料はどんな感じなの?

そういや、紙媒体ばっかりに偏ってしまいましたね。

自分が受けたWeb案件もまとめてみましょうか。時期はバラバラですが。

映画サイトのインタビュー記事:1記事1万円(2000~3000字ほど)
女性向けサイトのインタビュー記事:1記事5万円(3000字ほど)
オウンドメディアのインタビュー記事:1記事5万~7万円(3000字ほど)
エンタメサイトの映画悩み相談(コラム):1記事2万円(2000字ほど)
みじめん
そんなに低くないのでは?

一瞬そう思いますが、1記事単位って雑誌のようなページ換算より原稿料が安くなりがちなんですよ。

同じ3000字でも雑誌なら3~4ページ分。とすると、メジャー誌なら6、7万はもらえる可能性はある。

オウンドメディアは良いですが、これは最初に原稿料の希望を聞かれ、高めに答えたおかげかもしれない。相場はもっと低いのかもしれない。といいつつ、私よりもらっている人もいるのかもしれない。

みじめん
経験と実績にもよると

 

そりゃ、そうでしょう。

20年続けて給料が上がらないなんて誰だってイヤなはず。

ただ、20年という経歴にはほとんど意味はありません。プロフィールに書く経歴なんて3年あれば十分。

デビュー20周年のミュージシャンとデビュー3周年のミュージシャンとでは後者の方が聴きたくないですか? アブラの乗り具合を考えると、長ければ長いほどいいって話ではない。

 

みじめん
1万の原稿と7万の原稿は何が違うの?

繰り返しになりますが、原稿料が高い方が労力としては大変ではあります。

1記事1万のインタビューより1記事7万のインタビューの方が編集チェックはがっつり入る。「原稿料でクオリティに差が出る」みたいな話をライターがしてはいけないと思いつつも、書く方の気合いは違ってはきますね。

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ただし、ここでの例であげると、映画悩み相談(1記事2万円)が一番大変でした。

悩み相談といっても読者から悩みなんて送られてこないわけです。

私が悩みを考えて、悩みにあったビデオを私が自分でチョイスして、私が私の悩みを解決するという。

みじめん
むなしくないの?

連載でも不人気シリーズなんてそんなものです。

それでも、クスッと笑えるものしなくてはならない。ピリッとした作品チョイスでなくてはならない。当然スベってはならない。オチの1行を思いつくまでに5時間かかったこともありましたっけ。

当時は映画ライターとしてがんばっていきたいみたいな気持ちが強かったから頑張れた。今は映画専業ではないのですが。

 

みじめん
自分の専門分野は作った方がいいの?

まったく質問が多いですね。

テーマがズレるのでその関連はまた今度。今回も「とほほ」ネタが多くなりましたが、フリーランスはどの道そればっか!です。「とほほ」に負けず、お互い邁進しましょうね。

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