
右脳と左脳で片方ずつ休みを取るそうですからね。
マグロやサメも寝ながら泳ぎます。止まると死にます。泳いでいないとエラ呼吸ができないのです。だから、片方ずつ目を開けて泳ぎ続けるしかないんです。あなたもマグロですか?

ごたくはともあれ。
「なんで、人の脳は片方ずつ休みを取れないんだ!」とお嘆きのあなた。
同じヒトでもショートスリーパーが羨ましくてならないあなた。
睡眠負債なんてフレーズが定着するなか、それでも時代に逆行して睡眠時間を短くしたいあなた。
今回、似非ロングスリーパーである私と一緒に考えていきましょうか。
果たして、睡眠時間は短くできるのか?

ショートスリーパーどころか長時間睡眠で100人中4位!
かくいう自分の悩みは遅寝・遅起き・二度寝です。少し前まで1日10時間くらい睡眠を取っていました。
目下、早起き修行中の身の上ですが、そのきっかけとなったのが以下の表。
睡眠時間の長さでは1000人中40位。
わかりやすくいえば、100人中4位ってことです。それでも眠くてたまらない。
40代で母親でフリーランスでって条件を絞り込んでいくと多分1位になりそうです。
ちなみに私はいわゆる医学的に定義されるようなロングスリーパーではありません。まごうかたなき、ただの惰眠です。
1日11時間くらい寝てしまうことがあります。 夜12時に寝て、昼の12時に起きたこともあった。この時はぶっ続けではなく朝7時くらいに30分ほど起きましたが、その後でまたネル。 起きた時には1日はあと12時間しか残されていなかった[…]
何故なら、生まれて以来ずっとロングスリーパーだったわけではないからです。
しがない新聞社に勤めていた20代の頃は5~7時間睡眠だった気もします。早起き修行中の今も6時間とか7時間とか。10時間近かった睡眠時間をここまで減らして、眠いけどまぁ、なんとかなっています。
ショートスリーパーな10代は一番寝ないといけない世代
そういや、10代の頃は徹夜も平気だったのになぁ、というあなたもいるでしょう。
実はこれ、医学的には全然よくないのでした。

そうなのです。実はすべての世代で一番長いのです。成長ホルモン分泌の関係性からでしょうかね。
しかしながら。
大昔の話で恐縮ですが、私自身、中学生の頃はオールナイトニッポン(AM1時~5時)を聴いた後、ちょっと寝てから学校行くみたいなことはザラ。
高校生の頃はディスコ(当時はクラブとは呼ばない)で朝まで、そのまま学校行くなんてこともたまに。改心して受験生となった直前時は1、2時間睡眠で学校行ってネル、みたいなのが日常生活。
私の成長ホルモンはどうなっていたのだろうと過りますが、体感的にはもう全然平気です。
いや、眠かったと思いますが、だからといって「もっと寝たい」なんてことは1ミリも思わなかった。土日は友達と朝から出かけるわけで、寝だめなんてする時間はありませんでしたしね。
睡眠時間の短さは次第に慣れていった気がします。
当時読んだ本で覚えているのが『眠りを減らせ!』という短時間睡眠の本。今、書店の睡眠コーナーでこんなタイトルが並んでいたらちょっと引きそうです。
「寝なくて平気」は「寝ている時間がもったいない!」と思えるか

体力の違いとか年齢も大きいでしょう、そう言いたいところですが厚生労働省は別の考えをお持ちのようで。
前述の通り、「10代は8時間寝なさい」ということになっていますが、年を経るにつれ、推奨睡眠時間は少なくなっていきます。20代で7時間半、40代では6時間半とかね。短すぎです。
一方、実際の睡眠時間はどんなアンケートでも10代が一番短く出ます。平均6時間程度とか。

よく言われるのはスマホやSNSの影響です。
確かに、と思う一方、そんなもの、なくたって若人は起きていると思いませんか?
自分の世代なら「テレビが、ラジオが、深夜放送が!」「憧れのナイトクライミングが!」みたいな理由が上がるのでしょうが、そんなものなくたって若人とは起きていたい生き物なのです。

そう。
チビッコの場合は気力があっても体力が追いつかない。が、中学生くらいになると体力も追いついてくる。
そこから、自由な世界の始まりです!
結局のところ、「10代の頃は3、4時間睡眠でも平気」だったのに「40代の自分は10時間寝たい」
その一番の違いは「やりたいことが、どれだけあるか?」の違いのような気もします。
10代の自分は「寝ている時間がもったいない!」と考えましたが、今はまったくそう思わない。10代の世界は今の自分の世界よりもずっと狭いはずなのに、やりたいことはものすごく多かったのです。
ショートスリーパーになりたい?目的があれば可能かも

そんな展開にはしませんよ。
何の話かというと「睡眠時間は短くできるのか?」でしたね。「ショートスリーパーになりたい」とかね。
医学データではなく自分の体感で言ってしまえば、目的があれば短時間睡眠は可能な気がします。
逆に、特にやりたいことはないけど「10時間睡眠はだらしがないから」くらいの気持ちでは難しい。最初の3日くらいで挫折してしまいそうですね。
要するに、貴重な睡眠時間を削ってまで「やりたいことがあるのか?」ってことです。

この場合の「やりたいこと」はそう難しく考える必要はないです。
難しく考えてしまうと、たいていは「ない」という結論になりますから。
自分の場合、「早起きしてスイミング」も「早起きして英語」もやりたくはありません。
でも、「早起きしてネットショッピング」ならいいかな。「早起きしてバチェラー・ジャパン」はもっといい。
ダメそうな活動も朝の爽やかさで相殺できそうです。これ、本当。
こんにちは。40代寝だめフリーライターです。 二度寝して起きたら昼の12時!この悪習慣をなんとかしたく早起き生活を決意。 目標は平日だろうと、土日だろうと、朝7時台に起きること。 もっと大切なのはその後二度寝をしな[…]
ああ、ちなみに。
なんで早起きの話になってんの?って思う方もいるかもしれませんが、早起きを目指せば短時間睡眠にならざるを得ません。
でもって、2週間くらい続ければ、同じ時間に起床すること自体には慣れます。そうなってしまえば、さしたる目的がなくとも目は覚めます。
「朝5時起きが習慣になる5時間快眠法」―タイトルはうさん臭いけど良書
上記は10時間睡眠を8時間とか7時間とか、要するに普通の睡眠時間に戻したい場合の話でした。
それよりさらに志高く、「会社行く前に朝活したい!」と思う方もいるでしょう。
で、高校生の頃に「眠りを減らせ!」という本を読んだ私が今回はこんな本を読みました。
サブタイトルが「睡眠専門医が教えるショートスリーパー入門」とか。

わかっていて選んだのですが、バブルっぽいというのか、これまた時代の流れに逆行したタイトルですね。
「日本人の寝てなさ」ときや、すでに先進国の中でもトップクラス。短時間睡眠は時代的にまったく推奨されていません。
が、実際に手にとってみると中身は存外まともです。
5時間睡眠を名打っているものの、全体の8割を占めるのは「質の良い睡眠をいかに取るか」
このポイントあってこその短時間睡眠です。
「目的があれば寝なくても大丈夫!」なんてことを書く自分とはレベルが違う。当たり前です。
余談ながら、たぶん、アレだと思いました。
著者は「睡眠効率を高める!」みたいなタイトルを考えていたのかもしれない。それに対し、編集者が「インパクトが足りない」とかなんとか言って現タイトルのようになったのではあるまいか。出版はタイトルが命ですからね。

「寝すぎ」と思いきや、実際は短時間しか寝てない場合も
さて、本書の著者は全員が全員ショートスリーパーになれるとは言っていません。
日本人のうち1割は体質(=ロングスリーパー)的に無理だとも書いている。
それを前提に、ショートスリーパーに大切なのが「即寝・即起き」だと。
文字通り、「すぐ寝てすぐ起きる」。
その技術もがっつり紹介されています。
ストレッチや眠りを誘う香り(実はコーヒーは嗅ぐだけなら催眠作用がある)やら自宅で作れる高機能枕やら。「二度寝は悪いことではない」とあったのも二度寝に苦しむ自分には救いの言葉のようでしたよ。
ちなみに作者の言う「即寝」には思うところがありました。
というのも、長く寝る人に限って「布団に入ってなかなか寝付けない」「目が覚めてからもなんかダラダラ」が多いのでね。まさに自分のことです。
他の記事でも紹介した睡眠アプリ。
この日は12時過ぎに寝て、9時過ぎに起床しています。
布団の中に9時間以上いるのに、実際の睡眠は6時間38分とか。
寝つくのに2時間2分もかかっています。
目覚ましが鳴った後も25分間くらい布団の中にいるとか。

そうなのです。
睡眠習慣を変えたいなら、睡眠計測は非常に大事。
たくさん寝ているつもりでいて、実はすでに短時間睡眠になっている可能性もある。ほとんど身にならない睡眠とかね。
ショートスリーパーを目指すなら、睡眠アプリやスマートウオッチの類で自分の睡眠チェックはやっておくといいですよ。
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